1960年代の日本の経済状況の変遷とクレジットカード会社の設立やクレジットカードの発行を併せて検証してみると、面白い点や意外なことを発見できます。
日本で矢継ぎ早にクレジットカード会社の設立が相次いだ1960年代後半という時期は実は日本の経済はそれほど活気に満ちた時期とは言えません。
1960年代初頭においてはテレビ、洗濯機、冷蔵庫のいわゆる「三種の神器」の普及に象徴されるように一般市民の生活レベルは充実しつつありました。「巨人、大鵬、卵焼き」や「大きいことはいいことだ」と言った元気の良いキャッチフレーズが日本中に蔓延していた時期でもあります。当時の日本の経済復興のすさまじさは、海外からは「東洋の奇跡」とさえ呼ばれるようになっていました。
しかし1964年くらいからは経済は暗転してしまいます。1965年には戦後初の赤字国債などが発行させるに及んでこの流れは加速するかに見えましたが、国策が奏功して幸い恐慌の再来は免れることとなります。
ちょうどこの頃、クレジットカード会社も世の中の流れに従うかのように次々と設立やクレジットカードのサービスが開始されました。不安定だった1960年代の後半を慎重に切り抜けることに成功した日本は、1971年のニクソンショックを契機として実質的な円の切り上げが行われ、これは大きく経済の安定に影響を与えることになります。
1973年には第4次中東戦争によるオイルショックも起こりましたが結果的にはこの事件がバネとなって、以後日本は長く安定した安定成長期へと移行していきます。
安定成長期を支えたものは一般市民による活発な購買活動です。クレジットカードはその活動を後押しする大きな要因の一つです。この時期、全てのクレジットカード会社は順調に契約数を伸ばし、会社規模を拡大しました。日本の経済の発展の裏側で、クレジットカードは確実にその原因の一つとして機能していたのです。
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